トップタブ(ページ群)

2010年12月30日

セグーの休日(2)

■ 君は旅行の準備にお金をかけすぎだ
ここまでの私の旅行はとにかく節約ばかりでした。物価の安いアフリカに入っても、路上の100円以下の安い食事で済ませるとか、固くなったパンをかじるとか。宿に泊まる時も、1円でも安くあげるため車中泊またはテント泊。そうしないと、いつか資金が尽きてしまうと思って怖かったのです。

ところがピーターと行動するようになってから、なんだか生活が贅沢になってきて。。。
「何か美味しいものを食べようじゃないか。今日はあのホテルに食べに行こう」
「はぁ。。。(って、そんなお金どこにあるの!?)」
それまで500CFAのぶっかけごはんでも高いと思っていた私が、セグーの有名な川辺のレストランで4000CFAもするピザを食べるなんて信じられないんですけど。

しかもピーターは毎日いつもの調子で給仕さん達にチップをはずみ、貧しい人たちにどんどんお金を与えてしまうので、私達の共同財布の予算は減りが早かったのです。そこであるとき「私たち、お金使いすぎです。もっと節約しなければ」と訴えたところ。。。

「本当にそうかね?」
- え?
「確かに4000CFAのピザを食べるのはマリでは最高の贅沢だ。しかし4000CFAはたった700円なのだよ。これは日本人の君にとって高いだろうか?」
- うっ。。。(日本でも確かにピザ1枚を700円で買うなんて無理だ。。。)
「君は旅の装備を整えるため、出発前に何十万円もかけただろう?私に言わせれば、君は旅行の準備にお金をかけすぎだ。日本でそんな贅沢をしておきながら、どうしてアフリカで100円や200円を惜しむのかね?」
- 確かに。。。
「どうせならもっと、旅そのものを楽しむためにお金をつかいなさい。」



このピーターの一言に、はっと目が覚めた気分でした。。。

※追記:ちなみにピーターはオランダでは市営住宅で年金暮らしですから決してお金が余っている訳ではありません。だけど今回の旅行を振り返ってみると、なぜかリッチとは言えない人ほど、困っている人々に分け与えていたのが印象的でした。

例えばロシアで出会ったミーハやターニャ達はとにかく居候に寛大でした。。。コペンハーゲンのトビアスも、すきま風の吹くボートに住んでいながら「僕は金持ちなんだ」が口癖で、貧しい人を見ると必ず食事が出来るくらいの金額を与えていました。フランスのパトリックも、マリを訪れるたびに地元の人々に多額の寄付をしています。超貧乏だった自転車乗りのロムに至っては、自分が空腹な時ですら最後のクッキーを地元の子供達に与えていたし。

いずれも、自分には無かったメンタリティで衝撃を受けました。彼らすべてに共通しているのは、慈善団体に寄付するとかではなく、とにかく目の前にいる人に対して親切にすること。。。これは1対1の関係ですから、誰でも可能です。

日本に居た頃、自分の事で精一杯だと思っていましたが、あれはどういう錯覚だったんだろう。



にほんブログ村 ひとりごとへにほんブログ村 大陸横断・大陸縦断へ