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2010年7月19日

国境警備隊に捕まる

アルタイ地方はモンゴルと国境を接しており、ロシア側はTashantaがM52沿いの最後の町となります。あらゆる看板にTashantaと書いてあったし、ならば我々3人もとりあえずそこまで行ってから来た道を引き返そう、というつもりでいました。

しかーし!実は。。。ロシア側の正式な国境は確かにTashantaなのですが、事実上の国境の町は50km手前のKosh-Agachだったのです。ここの警備は厳しくて、たとえ地元のロシア人であっても許可証もしくはモンゴルへのビザなしにKosh-Agachを通過することはできません。

何も知らないおバカな我々は、もちろん何も持たずにKosh-Agachを通過。町を5kmほど過ぎた所に検問所があり、軍人さんに「3人ともパスポートを見せなさい」と言われたので無邪気にパスポートを差し出したら、
「モンゴルビザはないのか?許可証はどうした?」
「は?何ですかそれ?」
「ここは国境地帯だ。通行許可が必要と書いてあった看板を見なかったのか」
「えっ、そんな看板があったんですか?」
「このパスポートは我々が預かる。ついて来なさい」

。。。というわけでまんまと国境警備隊の御用となり、軍用車に先導されながらKosh-Agachまで連行されてしまったのでした。殺風景な軍事施設に通され、3人とも取調室で延々としぼられましたが、ロシア語だったので何言ってるか分からず。でもまあ悪気はないしゴメンナサイで済むだろうと甘い考えでいたのですが。。。
ミーハがたまに通訳してくれたかと思うと「ナオコ、この書類の質問事項に答えてサインして」「なんて書いてあるの?」「"私はロシアの法律を破りました"って書いてある」「な、なぬーーー!これって犯罪なのか!(((゚゚Д゚゚)))」

しかも話はこれで終わらず、私だけ外国人だという事で別室に連れて行かれ、さらに数時間の取調べを受けるハメに。。。このとき、たまたまラッキーな事に英語のできるエルゲーニャという女の子が通訳についてくれて、怖い顔をした取調官の質問事項を逐一英訳してくれたので本当に助かりました。(彼女、実は取調官のお嬢さん。たまたま夏休みでKosh-Agachで過ごし中)

ところが質問の内容をよくよく聞いてみると、どうやら怪しいと疑われているのは私ではなくミーハとアレクサンドルの2人だったらしい。。。「一緒にいた彼らですが、いままで何か不審な点はありませんでしたか?我々は貴方の安全を心配しています。日本人である貴方を利用して悪事を企んでいるかも知れません。もし何か困った事になったら、いつでも私の携帯に電話してください。」
と、連絡先の電話番号まで頂いちゃったりして。

通訳してくれたエルゲーニャはとても素敵な子で、すぐに仲良くなりました。もし彼女がいなかったら取調べは全てロシア語だったかと思うと、誤解やら何やらでどんな目に遭っていたか分かりません。本当に感謝~。

でも、罰金はしっかり課されました。1人あたり300R(約900円)で決して高くはないのですが、1ヵ月以内に大きな街の銀行まで行って支払う必要があります。(その場で払うことは出来ないらしい)

やっと釈放された時にはもう8時。ミーハとアレクサンドルが建物の入り口で待ちくたびれてました。
まさかこんな形でアルタイの旅が終わるとは思ってなかったけど、そういえば日本を出る前に、旅友達のりかさんが「アルタイ地方にはロシア人でも許可が必要な地域があるんだって!」と教えてくれたのを今ごろ思い出したりして。うん、すっかり忘れてた。

というわけで、もしアルタイ地方へお出かけの予定がある方は、くれぐれもご注意ください。

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