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2010年1月9日

バイクが素敵な理由

バイクに乗ってた頃はクルマは全然興味なくて、クルマ生活になったらバイクに全然乗らなくなってしまいました。こういうパターンを辿る人は珍しくないはずですが、それでもまだバイクを降りたわけではないっ、て心の奥で思ってる自分、わけわからん。

20代の頃、狂ったようにバイクで駆け回っていた理由は何だったのでしょうね。雨に打たれて、風に凍えて、背中に重いザックをしょって。それ以外の荷物も一度車載したら次のストップまで中身を取り出すことも出来ない。実に不便で意味不明だと思うのですが、なぜそれでも乗り続けたか?その答えは「乗らずにはいられなかったから」。。。かな?

ライダーでない人がバイクに対して想像できる具体的なメリットって「バイクは渋滞関係ないからいいね」とか「維持費が安くていいね」ってのが大半なんですけど、その程度の事が理由だったら別にバイクに乗らずに電車にすればいい。ライダーの心の中を覗いてみると、その世界はもうちょっと深くて広いと思います。

バイクって不思議な乗り物で、圧倒的に自由な感覚が簡単に得られるんです。それは自分の身体能力が拡張した事に対する歓びなのかな、とも思う。つまり時速4kmでしか歩けなかったのが、いきなり時速60kmで移動できるようになる。これは凄いことです。生身の自分がそのままスーパーマンになったような快感が得られるんですね。

「風を感じる」っていうのは自分が空気を切り裂いている感覚です。車体が軽いので250cc程度の小排気量でも圧倒的な加速感を感じられる。エンジンの調子が良ければ、まるで空を飛んでいるような錯覚を覚えるし、夜道を照らしながら走る時なんかは自分が流れ星になったような感じがして、それだけで感動を覚えたこともあります。

ほかにも、コーナリング中に遠心力と一体化する快感とか、温度や湿度の変化をダイレクトに感じたりとか。たとえば山奥で橋を渡る時なんか、一瞬空気がヒンヤリして「あ、川だな」って感じる。こういう風に身体全体がセンサーになったような感覚はクルマでは得られないし、一度その快感を知ってしまうと、繰り返しそれを求めるようになる。それを味わうためだったら、雨も寒さも気にならないわけです。一種の中毒かも知れません。

じゃあ何で最近バイクに乗らなくなったんだろう?
ババアになって寒いのが苦手になったり、バイクでの走り疲れから回復するのに時間がかかるようになったから、乗ること自体に慎重になったというのもありますが。

もしかしたら時速60kmで走れる事が自分にとって当たり前になっちゃったのかも知れない。
だけどそういう身体感覚に新鮮さを覚えなくなってきたのは問題かも。。。
寒いけど、久々に山へ走りに行ってみようかな。

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